魔よけの黒猫が家出をしたら……
今日は黒猫パー君のこと。今こうして日記を書いているけど、実はさっきまで私は泣きべそ状態だったのです。というのも私の最愛のパー君がプチ家出!!
いつも夕方は、鶴の一声ならぬAKEの一声が、静かな里山に響き渡る時間。”みんな〜〜!(猫達のこと)おうちに帰る時間よお〜〜♪”
御近所でもたぶん”あは、ま〜た始まった”とあきれられているとか。こと猫に関しては、見栄も外聞もありません。だって産んでこそいないけど、彼等は私のれっきとした”子供達”なのですから。私にとってはみ〜んな三歳児。幼児を夜まで外に出しっ放しの親はいません。だから夕方から朝まで、猫達は家の中で過ごします。
山の中とはいえ猫にとって危険がないわけじゃあない。隣近所にはうちの子たちよりたくましそうな牡猫がいるし、野良犬ばかりか飼い犬だって油断ならない。鎖をちぎって徘徊するのもいるし……。この前なんかタヌキが庭をうろうろしていたもの。
心配性のAKEさんはそのうえ心臓が少し弱くて、ショックなことには耐えられません。(ちょっと!あなた今笑ったでしょ!えっ?私の心臓、毛皮のコート着てるって?失礼な!)
今日もいつも通り、通称”猫のお取り込みタイム”を無事完了し、夕飯をあげて、私達人間も夕食が済んだ頃でした。ふっと気が付くとパー君がいない!
裏の勝手口のカギがかかっていなかった!他の子はぐっすり寝入っていたのに、なぜか暗闇に黒猫が紛れ込んで……。しかも気配もない。私の一番のひいきなので、首に鈴をつけてあるのだけど、チリともしない。
さあそれからは大変。夕方の呼び声の何倍もの声響かせて、呼べど叫べど……チリでもない。
いやなことばかり想像してはベソベソする私を見て、やたら冷静(冷淡)沈着な夫はあきれ顔。頼みの娘はこれまた長電話に夢中。ますます落ち込んで、夫の愛猫に当たったりしても、猫に罪はなし……。
そうして約2時間ほど半泣き状態で捜しまわる。これまでにも何匹かこうしてついに帰らなかったことがあるから、本当に参ってしまった。
もうすぐ4月だというのに夜風は凍えそうなくらい。身も心もすっかり冷えきって、もうすぐ12時と言う頃、かすかに”チリン”と、庭の下の方角から聞こえたような……。
”パ〜?”と呼び掛けて暗闇に目をこらすと、小さな光が二つ、きらきらしながら近付いてくる!!あ〜良かったあ。すぐに抱き上げて、ちょっとは叱ってはみたものの、愛しさがまさって、ぎゅ〜と抱きしめてしまう。
わかってるのかなあ。本人はさっさとごはんのお皿にゆき、食べ終えると顔なんか洗って、しごく普通。気が抜ける。
実は昨日、私は伯母の葬儀に出たばかりで、ことさら心臓が弱っていたのです。ついついマイナスな感情に傾きがちなところに、プチ家出するなんて、パー君はしばらくお閉じ込めです。
約3時間のプチ家出から戻ったパー君は、何だか少し大人びて見えた。でもね黒猫は魔よけなんだから、家にいなくちゃ。たくましくなるのはいいけど、家出されたら誰が私を守ってくれるの?いつまでも私のナイトでいてよね。パー君!









